電験三種の難易度について
電験三種は一般的に難しいと言われている試験ですが、人によって感じる難易度は様々だと思います。
ここでは、私が感じる電験三種の難易度について書いてみたいと思います。
■ 出題範囲の広さへの対応
電験は4科目すべてに合格しないと資格取得ができない試験です。
科目によって得意、不得意があり、すべての科目を合格点以上獲得できるよう、まんべんなく勉強することは難しいことです。
■ モチベーション維持の難しさ
私が受験したことのある、簿記やTOEICなどの資格・試験と異なり、
電験は試験日が年に1回しかない、ということがモチベーション維持の観点から試験の難易度が高くなっていると感じます。
例えば、簿記は年3回(2級まで)、TOEICは年10回程度試験があるため、1回不合格でも次回頑張ればいいや、と思います。
一方、電験は年1回しか試験がないため、試験日にピークを持っていくよう、事前準備をしっかり行って勉強を行っていく必要があります。
この事前準備期間は、前回試験日から次回試験日までの約1年ありますが、試験日までが長いため「まだ勉強しなくても試験日までに間に合う」と邪念が入ってしまい、なかなか本腰を入れて勉強スタートができませんでした。
■ 基礎知識が大切
電験は、物理の基礎知識や、数学の基礎知識(高校数学)が必要になります。
文系の方でも挑戦できますが、高校の時に物理を選択していた方が取り掛かりやすいと思います。
数学や物理が苦手な方がいきなり電験に挑戦しようとすると、挫折する可能性があるため、電気工事士から挑戦することをおすすめします。
電験三種を受験する人の中には、電験二種を目指している人も多いと思います。
将来的に二種を目指すのであれば、どのような心がけが必要か、ということについて書いてみます。
■ 電験二種と三種の違い(試験制度)
電験二種、一種は一次試験でマークシートによる選択問題と二次試験で筆記試験があり、これらすべてに合格する必要があります。
一次試験は三種と同様、理論・電力・機械・法規の4科目からなります。
二次試験は「電力・管理科目」と「機械・制御科目」の2科目から構成されています。
なお、一次試験は三種と同様、科目合格制度がありますが、二次試験は1回の試験で2科目同時に合格が必要です。
これは私の考えですが、一次試験は二次試験のための「足切り」要素として使われていると思っています。
なぜなら、二次試験で行われる筆記試験の正誤判定は、マークシートのように機械ではできず、人間の手でやらざるを得ないためです。
筆記試験の受験者数を減らすために、一次試験を設けているのではないかと考えます。
■ 一次試験(マークシート問題)の違い
三種のマークシート問題は、設問に対して5つの回答から選択して回答しますが、二種以降は本文に5箇所穴(問題)があって、15個の選択肢から選んで回答します。
1問あたり平均3つから選ぶことになります。
(本文中に絶対に合わない選択肢が出てくるため、ある程度選択肢を絞ることができます。)
科目別の一次試験内容については後述しますが、難易度は三種の延長線上にあると考えます。
■ 理論科目の違い
三種と同様、計算問題が主になります。
三種では最終的な計算結果を選択肢から選びますが、二種はその計算過程が設問の1つになっていることが多いです。
したがって、最終的な解答にたどり着かなくても、計算が途中までできていれば、選択肢を選んで解答できます。
理論に苦手意識がある方は参考書購入を勧めますが、基本が十分できている方は不要だと思います。
■ 電力、機械科目の違い
三種の範囲をしっかり理解していれば、二種の一次試験は十分に対応できます。
そのため、三種の参考書は捨てずにとっておいて読み直しをしてください。
■ 法規の違い
三種と二種で取り扱える電圧階級が異なってくるため、三種の勉強範囲だけでは、どうしてもカバーできない部分が出てきます。
過去問等やってみてどうしても分からない部分、対応できない部分があれば、二種の参考書購入することをおすすめします。